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                                   2011.03.10 (Thu)

卒業生 答辞 

20110310卒業式 059

 日ごとに冬の厳しい寒さも和らぎ,神石の山々にも春の息吹を感じる今日,僕たち三年生はこの神石中学校を卒業します。
 三年前,神石中学校に入学した僕は,それまでの生活とは全く違う,楽しくも厳しい中学校生活になれようと必死でした。慌ただしい毎日のスケジュールに加え,それまでとは違う先輩との上下関係に気を遣い,心身ともに苦しかったのは僕だけではないと思います。
 しかし,この厳しさに耐えていくことによって様々な新しいやりがいを感じることができました。例えば,部活動。フォームを直すために先輩から特訓を受け,毎日厳しい練習を乗り切ることによって,自分でもわかるくらい体力が向上したり,できなかったことができるようになったりしたときの喜びは,練習の苦しさを忘れさせてくれました。
 二年生になると,それまでは先輩から指導される側だった僕たちが指導する側にならなければなりませんでした。
 急に指導しろと言われても,正直,どうしていいものかよく分かりませんでした。指導することは指導されることよりも難しいものでした。指導するためには,自分の伝えたいことを完璧に理解していないといけないからです。よく分からない中で僕が意識していたのは,先輩のいいところを手本にして,自分らしさを入れるということです。百人いれば百通りのやり方があって,正解なんてものはない。自分の考えをもって行えば,その人のためになるかどうかは別として,きっと気持ちは伝わる。そう信じて,僕は後輩のみなさんに声をかけてきました。そして,たった一つ二つ先輩だから,という理由だけで後輩に偉そうな態度をとることはやめようと心がけてきました。僕たちの気持ちは伝わったでしょうか。
 二年生と言えば修学旅行。十五人そろって行けたことが何よりの喜びでした。十五人で見た沖縄のきれいな青い海。見知らぬ僕たちにも明るく挨拶をしてくれる子供達の元気な声。そして心からの平和への誓い。今もまざまざとよみがえってきます。僕たちは同じ日本とは思えない独特の文化や生活に触れ,沖縄を満喫しました。満喫しすぎて時間が守れず,修学旅行先のホテルで外出禁止になってしまうというハプニングもありましたが,それも今となっては良い思い出です。外出できないのならばと,部屋の中で友達と向き合い,部活動の目標について本気で話し合い,友達の良さを見つけることができました。 
 校長先生はよく「友達のいいとこ探しをしよう」とおっしゃっていました。相手を素直に認め,受け入れ,尊敬する心を大切にできれば,自分自身を見つめ直し,お互いに成長できるのです。僕たちはそんな「いいとこ探し」が上手だと思います。なぜなら,みんなが優しい心を持っているからです。豊かな自然と温かな人々に囲まれて育った僕たちは心豊かに育ちました。世の中へ出て誇れるものをみんなもっていると僕は思っています。
 三年生になると,学校の最高学年としての自覚をもたなくてはならない,と頭で分かっていてもなかなかうまくいきませんでした。特に僕は,野球部キャプテン,生徒会長を務めることになり,不安でいっぱいでした。人をまとめるのが苦手だった僕は,こんな自分でやっていけるのかどうかとても不安で苦しかったのです。しかし,その経験を通して成長できたことは確かです。僕は人のために何かをして喜んでもらうのがとても好きになりました。自分がちょっと考えて動くだけで,自分も相手も幸せになれるということは,素晴らしいことだと感じることができました。自分がしてもらって嬉しかったことを今度は人にしてあげたくなるそんな考え方が広がればみんなが幸せになれると僕は思います。
 三年間,僕の周りには,いつも当たり前のように仲間がいてくれました。その時は意識してませんでしたが,別れを前にして,今,とってもありがたいことだと感じています。自分のことを想ってくれる,わかってくれる仲間がいることの喜びに,今頃になって僕は気付いているのかもしれません。仲間達と別れるのは辛いです。しかし,いつまでもこの仲間達と共にいるわけにはいきません。別れは悲しいだけのものではありません。悲しみ以上に僕たちを成長させてくれます。
 僕は,春から鳥取県の米子工業高等専門学校に行きます。もちろん,不安でいっぱいです。しかし,それと同時に,沢山のやる気とこれからの生活への期待に満ちあふれています。それは,僕が進路について悩んでいたときに,両親が背中を押してくれたおかげです。「駿がそこにいきたいのなら反対はしないから,しっかり頑張れ。」と言われ,僕はとても気分が楽になり,自分なら頑張ってやっていける,という勇気が湧いてきました。きっと僕の仲間もみんなそうです。悩み,反発する僕たちを理解し,励まし,支えてくれる家族がいたから僕たちは新しい一歩を踏み出せたのです。
 僕は,在校生のみなさんに二つ伝えたいことがあります。
 一つ目は,仲間を大事にしてほしい,ということです。困ったときでも仲間がいれば助けてくれるし,頑張れます。
 二つ目は,目標をもって頑張ってほしいということです。今はまだ,はっきりしない人もいるかもしれません。そんな人は誰か目標になる人をめざして頑張ってください。目標があればそれに向かって頑張れます。
 
 最後になりましたが,僕たちが今日まで歩んでこられたのは,僕たちを慈(いつく)しみ見守ってくださった地域の方々,保護者のみなさん,先生方のおかげです。
 手作り野菜などを使ったおいしい給食。忙しい早朝から校門で笑顔いっぱいの挨拶をしてくださった地域の方々。いつも安全運転で送迎してくださったバスの運転手さん。部活動で熱く指導して下さったコーチや先生方。花を飾り,学習に使う教材や本を買って僕たちの学習環境を支えて下さった先生方。提出物が出ない僕たちを見捨てずに毎日根気強く声をかけてくださった瀧口先生。ここまで熱心に優しく支えてくださって,ありがとうございました。
 今日,僕たちは神石中学校を巣立ちます。
 僕たちは,これから,それぞれが,新しい場所で新しい人,新しいできごとに出合うでしょう。それらに出合ったときに,僕は「いいとこ探し」をします。みんな違ってみんないい。その心を大切にします。そして,いつか立派になって,少しでもこの神石に貢献できる人になりたいです。いえ,きっとなってみせます。どうかその時を楽しみに待っていて下さい。
   平成二十三年三月十日
                    卒業生代表 福田

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